人々は迷いながらも時代の興隆を手放すことなく、果てにひとつの栄華を築いた。
文明がこの境地へと辿り着いたということを我々は喜びを持って迎え入れるべきだろう。
なぜなら、ここへ至ることなく消えていった世界もまた無数に存在していたからだ。
人の営みとはいくつもの選択を重ねた先に生まれるもの。
そのゆくすえに作り上げられた、ただひとつの結果こそが世界と呼ばれる。
であればまた、その道すがら選ばれずに捨て去られたものもあったのだろう。
それらを思い返し、意味を与えようとするのは無為な試みなのだろうか。
振り返れば霧の中に消え、存在さえ定かでない過去の物事に再び輪郭を与えようとすることは。
『境界に立つ』
掌編ビジュアルノベル/音楽アルバム

制作:広川なつき

公式ページ