故郷
 
 
異国の地、無限に続く大地の上で子を産んだ旅人
子は行き交う人々の中で育ち、荒れ果てた野をその目に映す
 
年月はその産まれた地すらも遠くへ追いやり
見知らぬ人たちを新たな家族とする日々
何もかももう忘れた
 
何もかも
 
 
生きるべき場所はいったい何処か
自分の名前すらもう忘れた
 
人に問いかけても知るはずも無い
 
 
では彼の名前はどうだろう
私に所縁のあるものすべての名前
言葉は風に乗って
 
誰も、私の名残りなど知らないのだ
この広い世界で
 
 
いま目指すべき場所、するべきことはいったい何か
異国の地、無限に続く大地の上で私は何を残していけるのか