



1. 過去を拾いに
『方舟は飛び立って』の冒頭で流れる曲。アルバム全体で構成の不明瞭なアンビエント風の曲が多い中、オープニングはもう少しメロディー的な要素が強いほうが物語のイメージをつかみやすいかもしれない、と思って作った。
太陽が沈んでいく空に向かって歩いても、決してその光に追いつくことはできない、という焦燥感を思い浮かべて旋律を組み立てた。
太陽が沈んでいく空に向かって歩いても、決してその光に追いつくことはできない、という焦燥感を思い浮かべて旋律を組み立てた。
2. 日溜まりの残り香
『海に至る道』制作時に最初に作った曲。まだゲーム内容が決まっていなかったこともあって、ゲームのサウンドトラックということを全く意識せずに制作。
この一曲だけで『海に至る道』という物語の最初から最後までをイメージさせるように構成した。そのため11分を超える長さで色んな展開があるのでサウンドトラックっぽくないし、ゲーム中で使われていないパートもある。
この曲を作った時点で既にアルバムにする構想があったので、ゲームで使えるかどうかよりも音楽として聴いていて興味深いものになるようにした。物語を辿るように移り変わっていく音楽にじっくり耳を傾けて聴いてみてほしい1曲。
ゲーム内では使用されていない、中盤で流れてくる旋律は架空の国の音楽を想定して少し変わった調になっている。
この一曲だけで『海に至る道』という物語の最初から最後までをイメージさせるように構成した。そのため11分を超える長さで色んな展開があるのでサウンドトラックっぽくないし、ゲーム中で使われていないパートもある。
この曲を作った時点で既にアルバムにする構想があったので、ゲームで使えるかどうかよりも音楽として聴いていて興味深いものになるようにした。物語を辿るように移り変わっていく音楽にじっくり耳を傾けて聴いてみてほしい1曲。
ゲーム内では使用されていない、中盤で流れてくる旋律は架空の国の音楽を想定して少し変わった調になっている。
3. 間奏曲 -Kalvaria-
『方舟は飛び立って』のストーリー中で訪れる各ロケーションのBGMのために「間奏曲」と題した短めの楽曲を6曲制作した。そのうちの1曲。
漠然と景色を眺めるようなイメージ。旅をしてきた景色を振り返っているのか、これから先の景色を眺めているのかもはっきりしない。
漠然と景色を眺めるようなイメージ。旅をしてきた景色を振り返っているのか、これから先の景色を眺めているのかもはっきりしない。
4. 痕跡
これもゲームのサウンドトラックとしては異常に長い曲なんだけど、こういうアンビエント風の曲は長ければ長いほど嬉しいので意識的に長くした。
ゲーム中の場面そのまま、廃墟となった工場を思い浮かべる曲。暗闇の中、静寂に響く物音やわずかな月明かりが意識をざわつかせるような。
ゲーム中の場面そのまま、廃墟となった工場を思い浮かべる曲。暗闇の中、静寂に響く物音やわずかな月明かりが意識をざわつかせるような。
5. 間奏曲 -巡礼-
旅の途中、ふと立ち止まって過去を思い返すような曲。今はここに無い過去の風景そのものが脳裏によぎっているのかもしれない。他の曲と比べて感傷的なメロディーの印象が強いけど、ストレートにこういう曲があったほうが後から物語中の場面を思い返しやすいかもしれない。
6. 葉の落ちた木々の合間を縫って
主人公が旅をしていく中で、木々の生い茂る風景を横目に眺めながら歩いていく場面がいくつか思い浮かんだ。時間の経過と共に太陽の光が徐々に変化していき、やがて夕日が強く差し始める。その光は複雑に重なり合う枝に遮られながらも自分の姿を照らしている。
7. 間奏曲 -エルジェーベトのための鐘-
旅の途中で訪れる廃墟をイメージした曲。
昔は立派な建物だったかもしれない場所。場所に宿る記憶のようなものがあるとして、それがふとした物音と共に断片的に蘇ってくるような、あまりに断片的で本来の形は忘れてしまっているような、そんなイメージが雑然とした廃墟の光景と重なる。
タイトルは「血の伯爵夫人」バートリ・エルジェーベトが由来で、クロスハートストーリー全体に通底したヴァンパイアのイメージから思い浮かべたもの。
昔は立派な建物だったかもしれない場所。場所に宿る記憶のようなものがあるとして、それがふとした物音と共に断片的に蘇ってくるような、あまりに断片的で本来の形は忘れてしまっているような、そんなイメージが雑然とした廃墟の光景と重なる。
タイトルは「血の伯爵夫人」バートリ・エルジェーベトが由来で、クロスハートストーリー全体に通底したヴァンパイアのイメージから思い浮かべたもの。
8. 晩照
『方舟は飛び立って』の旅の場面を思い浮かべて最初に作った曲。
夜が近づき、ほとんど光を失いかけた空の太陽を頼りにして暗くなりつつ道を歩いていく。いま流れている時間がこのまま続いていくのか途切れるのか、瞬間ごとに未来のイメージが移り変わるような不安定な心情を思い浮かべて楽曲の構成を考えた。
夜が近づき、ほとんど光を失いかけた空の太陽を頼りにして暗くなりつつ道を歩いていく。いま流れている時間がこのまま続いていくのか途切れるのか、瞬間ごとに未来のイメージが移り変わるような不安定な心情を思い浮かべて楽曲の構成を考えた。
9. 間奏曲 -宵の明星-
何か未知の力が大気を覆っていくような、人の力で制御できない何かが広がっていくようなスケール感の大きさを思い浮かべて音を作った。
10. Gegenschein
『海に至る道』と『方舟は飛び立って』の両方に共通するテーマを描いた楽曲だと思う。実際に前半は『海に至る道』で、後半は『方舟は飛び立って』で、ひとつの曲を分割してそれぞれ別の作品で使用している。
後半のほうがより静かな雰囲気で、かつ細かな音が鳴り続けているような作りになっているところがお気に入り。かすかな気配の名残りだけを感じ取ろうとしているようでもあるし、夜空の中に光を探しているようでもある。
後半のほうがより静かな雰囲気で、かつ細かな音が鳴り続けているような作りになっているところがお気に入り。かすかな気配の名残りだけを感じ取ろうとしているようでもあるし、夜空の中に光を探しているようでもある。
11. 間奏曲 -prophecy-
『方舟は飛び立って』の中で訪れるレストランの場面のBGM。
「間奏曲 -宵の明星-」とは逆に、何かはっきりと目に見える人間の営みに触れるようなイメージで、少しだけ具体的なメロディーの要素から始まる。それが途中から抽象的な音にかき消されていく、という、短い中にも展開に起伏がある曲。その後半の音作りが気に入ってる部分。
「間奏曲 -宵の明星-」とは逆に、何かはっきりと目に見える人間の営みに触れるようなイメージで、少しだけ具体的なメロディーの要素から始まる。それが途中から抽象的な音にかき消されていく、という、短い中にも展開に起伏がある曲。その後半の音作りが気に入ってる部分。
12. ひび割れた窓から射す光
『海に至る道』でマリーヤと出会う場面のBGMだけど、作っている時に思い浮かべていた情景は「痕跡」と似ている。ただ、無機質な廃墟だけのイメージだった「痕跡」と比べると、その中からもっと多くの記憶が蘇ってくるような雰囲気。廃墟に残された“場所の気配”が思い出を刺激してくるような。
13. Gabriel's Horn
長い旅を続けてきたことで元々あった迷いが消えていくような、穏やかな心情を表現した楽曲。曲の後半からはまた雰囲気が変わるけど、それは穏やかさの去った絶望ではなく、もうどうにも動かせない運命を受け入れ、もっと大きな諦念に向かって進んでいくようなイメージ。
14. 間奏曲 -やがて凍りゆく湖面-
秋から冬に向かい、中央ヨーロッパ最大の湖であるバラトン湖が徐々に凍っていく予感を描いた曲。時間の経過につれて温度が奪われていくというイメージが、クロスハートストーリー全体の“夜”というモチーフにも重なる。
15. 月の影が落ちる地
見慣れたはずの夜の風景がどこか得体のしれないものに変わりつつあるような気配。ただ暗闇の中で、その奥底に実際には何があるかは見えないからこその美しさも描いている。
16. 永久に去りし、ぬくもり(the beginning of the dark hours)
クロスハートストーリー第一章全体に共通する情景をイメージした。
太陽が去って夜が訪れる最後の瞬間。その瞬間はどんどん光が失われて暗くなっていくだけなんだけど、待ち続けたその先にいつかまた夜明けが来るはずだという期待のこもった、決して悲愴なだけではない心境。それと同時に、太陽が消え去った未来の世界から振り返って見た時に、結局それが最後に希望を持てた瞬間だった……という絶望の予感も描いている(物語中で本当に太陽が消え去ってしまうシーンがあるわけではないけど、クロスハートストーリーは心象風景を描いた物語でもあるのでそういう比喩的な描写を思い浮かべた)
聴いてもらうと分かる通り、この曲は『海に至る道』のエンディング曲でもあり、アウトロ部分が『方舟は飛び立って』のエンディング曲になっている。
どちらも未来にほのかな期待を持って終わりつつも、それが最後の希望になるかもしれないという不安も内包している。そして登場人物はその不安からは目をそらして美しい夕焼けを見ようとしている。もし最後だったとしても、だからこそ最後に期待を持てた瞬間は美しかったということを描いているのがこの物語だと思う。
太陽が去って夜が訪れる最後の瞬間。その瞬間はどんどん光が失われて暗くなっていくだけなんだけど、待ち続けたその先にいつかまた夜明けが来るはずだという期待のこもった、決して悲愴なだけではない心境。それと同時に、太陽が消え去った未来の世界から振り返って見た時に、結局それが最後に希望を持てた瞬間だった……という絶望の予感も描いている(物語中で本当に太陽が消え去ってしまうシーンがあるわけではないけど、クロスハートストーリーは心象風景を描いた物語でもあるのでそういう比喩的な描写を思い浮かべた)
聴いてもらうと分かる通り、この曲は『海に至る道』のエンディング曲でもあり、アウトロ部分が『方舟は飛び立って』のエンディング曲になっている。
どちらも未来にほのかな期待を持って終わりつつも、それが最後の希望になるかもしれないという不安も内包している。そして登場人物はその不安からは目をそらして美しい夕焼けを見ようとしている。もし最後だったとしても、だからこそ最後に期待を持てた瞬間は美しかったということを描いているのがこの物語だと思う。