LOVE
いまでもすきだよ
Lost Memories


造られた感情に染められた漆黒の世界
無機質に閉ざされた路地裏に漏れだす光
過去へと還った記憶を捜して
その壁の隙間を覗き込む

知恵と引き換えに生命を失い
大地に産まれた者としての記憶を失くし
やがて太陽が生み出され、私の記憶は消されるだろう

探さなきゃ 私の居た場所を
帰らなきゃ 私の生まれた場所に
探さなきゃ あの場所を

かつて想った言葉
ひとつひとつの音で表されていた想いは
今は言葉に代えてもつかみ取れない

なら全部壊れてしまえばいいのに!
そうだ 全部崩れ去ってしまってまた始めから創り直そう!

そう絶叫してその鋼鉄の壁を殴りつける
ただ右手に血が滲む

はは くだらない はははは










solitary morning


――ああ、朝が来た

柔らかいシーツにくるまれて
自分を抱きしめる

朝日は雪のように白く 部屋を染める

ピアノの音 空耳?

朝のまどろみは孤独な優しさ

笑い声 子供たち

これから始まる一日からの逃避

思い出の夜 孤独

悲劇のヒロイン気取り

さあ起きて 早く

とりあえず顔を洗わなくては
here me


あまりにもゆっくりと流れる時間は
私のなかにいる 私自身を
じわじわと締め付け苦しめる

会いたいよ
手を握って
好きだって言って
息を吐いて

君の声が好き
君の顔が好き
君の肩が好き
君の首が好き

もっと近づいて
静かに
温かく
君の静かな

大好きって










体温


私がたったいま生きることができるのは今、この瞬間だけしかなくて
この瞬間見ることができるのはたった今そばにいるあなただけ
その体温と、今だけしか見せてくれない寝顔と
今感じることのできる世界
すべての小ささ
本当に
小さくて
本当の世界
のとこなど何も知らないけれど
二人の体温でしめつけられるこの瞬間
だけ
今は感じられればいい










heart bell



それは多分、イメージをイメージするようなこと


心の中に光が見える?
もし見えないとしたら じゃあ、空はどう?

目に見えない心の光は、空に映る光と同じ
この想いは色の無い真っ白な炎


いま私は心臓の鼓動の色さえ 薄水色に染まっている
あなたの事を知っているから
お互いの鼓動を信じ合えるから


心より奥に触れ合えるのなら そう 



だから
もしあなたが明日の朝 目が覚めて
猫に生まれ変わっていたとしたら
私はあなたの思い通りに生きる

口をゆすいできて
もう一度

もし私が明日の朝 目が覚めて
猫に生まれ変わっていたとしたら



ああ 空が赤く燃えている
あれは多分 夕日の色

そう思わない?
それは青い光ときっと同じこと


どうして、って聞いた時と
なんで、って聞いた時の答えが違うようなもの
それと同じ



ゆるやか
Nothing


はあ

何も無い
何も無い
何も無い
何も無い
何も無い
何も無い

なにも無い

傷は深い
傷は深い
 なんて本気で思っているの

光が降る

夜が来る
so alone



あなたが言っていることなんて たぶん 永遠にわからないよ

もういい

死んじゃえ!

死んじゃえ!

みんな死んじゃえ!

わあああああん

心の涙が体内に流れる

決してあふれ出ることのないその熱さを

せめて

言葉に変えようとする毎日がまた傷をつける

死んでしまえ みんな
because of waiting


遠い 遠い
君が見えない

最後の夜
六年前の夜に聞いた君の声

約束を残して 約束? なんのことかもう分からない

暗い朝
暗い昼
暗い夜

何かが君を連れていく なんで

真っ暗な春
光のない夏
ただ寒い秋
夜が続く冬

あと一年経ったら
君に会えるね!

あと一年、

あと 永遠に近い一年を
決してくることのない一年後を 待っているから
LOVE



月すらも見えぬ地の底に生きる
蛍光灯の明かりだけが唯一の頼りだった

 ありがとう 抱きしめてくれて
 ありがとう 声をかけてくれて
 ありがとう あなたは誰?

冷たい金属の中で

何も言わずに私の手に触れて
温かいって言ってくれて嬉しかった

静かな夜

何も言わずに体に触れて

 ありがとう 信じてくれて
 ありがとう 私の事を
信じてくれて 本当に本当だったんだね

また会える
きっとまた会える ね

蛍光灯の明かりだけを頼りに、待っているから
Luminous


ルミナス

その目に見えない光


ルミナス

星と同じ温かさの光



さあなにもかも忘れましょう
人間は薄水色の鳥の雛

もしも思い出せるのなら

朝の霧に包まれた白い木々
霧を通り抜けてさらさらとばらばらになった陽の光



ルミナス

ここは造られた感情に染められた夜の世界

この夜は暗いから
冥王星の光までもがこの街に届く



ルミナス

それは静かに歌う鳥の声


ルミナス ルミナス



さあ不思議な話を思い出しましょう

私たちは薄水色の鳥の雛
星の色しか見えない生き物
Silent Night


静かに眠ろう 蛍光灯は消して

何も見えない 歌も歌わない
ただもしかして
もしかして傍にいるのかもしれない貴方に囁く私の声が

声だけが

耳に響いて

ゆっくりと閉じていく世界
沈黙の中に閉じていく夜



「どうしたの?」



大丈夫だよ




傍で寝ている貴方に囁く私の声が

声だけが

じんわりと沁みこんで

貴方の寝息がかかるのを感じます




.


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:



そうしたら
;
*


*


ほらこれが私の心
見えるといいな
真っ暗な夜だから 見えるよね

じゃあこうやって手紙なんて書くのも、もうやめようね おやすみ 明日なんかもう来ないから 眠ろうね
        
戻るね *