「終わる陽射しに」

長い一日の終わりに色の薄れた空
かすむ空気に呼吸は溺れる

思い返せば
真夜中の道も雨の朝も
ひとりで歩く姿を眺めていた

冬も近い秋の風に
助けを乞う


ああ、ああ、ああ、

もたれかかる場所をくれた
あなたが言ったこと

それは残酷なことだけど


誰もが

日々の中にうずまくありとあらゆる色、色に
体を曝さずには生きられない
その手が触れる景色が何色に染まろうとも
誰のせいでもない

汚すのも自分
輝かしい日々を謳歌する幸せを諦めたっていいから
生きるためなら

何も知らずにいられたはずの顔を歪ませて
心に痛む涙を流してにらみつけて

優しかった声も台無しになるくらい
金切り声で叫んだっていい

枯れた声が二度と元に戻らなくても



どうか




叫べ、生きろ 踏み出すたびに突き刺さる
暗闇に溺れてもいい

どうか

生きていて



ひとりになっても忘れない

剥き出しの細い腕晒して
雲間から射し込む光も散るような弱々しさで
それでもたった一人、空を見上げている